素子の碁 – サルスベリがとまらない

書籍

私のようなSF好きなおっさんにとっては、新井素子先生は、れっきとしたSF作家なのである。とは言っても読んだのは(たぶん)中学生のころで、ン十年も前である。内容はまったく覚えていない。


その新井素子先生が、なんと囲碁の本を出した。題して「素子の碁 – サルスベリがとまらない」。この題の気持ち良くわかる。私の碁も、相手のサルスベリがずるずる入ってきて止まらないことがあるのだ。そんな初心者による初心者・初級者のための本。

初心者による初心者向けの本

将棋界に比べると囲碁界は初心者に優しいような気がする。本書のような書籍は将棋では見た覚えがない(あるのかもしれないけど)。プロ棋士が書いた入門向けの本や、将棋界を書いた本はあるけど、素人が悪戦苦闘した本はないと思う。

私も将棋や囲碁の初心者のころはどうしたらいいのか途方にくれていた。買う本は今から思えば難しすぎたのが、当時の私にはそれさえわからずに、理解できない自分が悪いのではないかと思っていた。

その頃の私に、この本があればどれだけ心安らいだだろうか。苦労しているのは私だけじゃなかった、と思わせてくれる本。

これから囲碁を始めようかと思っている方、始めたのだけど悪戦苦闘している方に是非とも読んでいただきたい良書だ。初心者がどのように、最初の苦労を乗り越えたのか、囲碁を楽しく続ける秘訣も得られる良書です。

囲碁のことはわからないけど、エッセイとしても読めるのは、さすがは新井素子さん。かつての新井ファンにもお勧めだと思います。

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