やさしく語る 碁の本質
Facebookにて良書との紹介がありましたので読んでみました。たしかに良い本です。
著者の白石六段はブログ(白石勇一の囲碁日記)にAlphaGOの解説記事なども書いており、こちらも面白く・参考になります。
白石六段による囲碁の本質
私は子供のころに19路で碁を習って挫折して、最近になって9路・中国ルールから再入門しました。9路盤だと攻め合いになりやすく、相手の石を取る・こちらが生きる技術が主眼になります。これはこれで面白いのですが、戦いになるので少々疲れます。最近はのんびり打てる19路盤での対局が多い。
ところが、9路盤の反動なのか19路盤では大きく陣地を囲うことを目指してしまい、相手に地を荒らされて負けることも度々です。その経験から、戦いと地のバランスを取るのが囲碁だと思っていました。
ところが白石六段の解説は私の理解とは異なり、本書では「石の強弱」が考え方の基本だと述べられています。私なりの理解では「地や生死は最終結果、中間目標として強弱を考えるべき」ということだと思います。なるほど、言われてみるとそうかもしれません。
将棋でも最終目標は敵玉を詰ませることですが、最初からそれを目標にしていては勝てません。序盤・中盤では異なった判断基準(駒の損得、囲いの堅さなど)を用いています。最初から地を考えるのは、王手ばかりしている将棋のようなものかもしれません。
本書の良いところ
序章にきちんと用語解説が書かれています。通り一遍の説明ではなく、1語につき1ページを使って丁寧に解説されています。用語解説だけで9ページ。さらに石の強弱についての説明が8ページあり、本書は隅々まで気を配った良書だと思います。
Amazon: やさしく語る 碁の本質(白石勇一著)
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません